脊柱管狭窄症の原因となる老化による脊椎の変化
①骨(椎体)の変化
腰を丸めて座る習慣があったり、
前かがみで立ったり歩いたりする習慣があると、
腰椎に負担がかかり続けます。
すると、
負荷を分散するため荷重がかかる椎骨の接触面が広がり、
椎体の上縁と下縁にトゲのような出っぱりが出来ます。
これを「骨棘」といいます。
この骨棘が、脊柱管や椎間孔に突き出てくることで狭窄を起こし、
神経を刺激したり圧迫したりして痛みが起こります。
②椎間関節の変形
長年にわたって椎間関節に負荷がかかっていると、
関節が変形してせり出し、骨棘も形成されて、
脊柱管や椎間孔を狭めてしまうことがあります。
③椎間板の変性
椎間板は、椎体と椎体の間にあってクッションの
役割をしている軟骨組織です。
老化に伴って椎間板の内部の水分が減り、
弾力性を失うと、椎間板そのものが潰れてはみだし、
変形した椎体とともに脊柱管を狭めることがあります。
④靭帯の肥厚
靭帯は、骨と骨を安定的に結合させる線維性の組織です。
椎骨は、前、後、黄色、棘間靭帯など数種類の靭帯によって補強されています。
悪い姿勢を長くとり続けていると、
これらの靭帯が常に引っ張られた状態になります。
すると靭帯は切れないように自らを厚く(肥厚)なり、脊柱管が狭くなります。
特に椎弓をつなぐ黄色靭帯は肥厚しやすく、
これによって神経を圧迫します。
また加齢によって椎間板がつぶれて上下の椎骨同士が接近すると、
脊柱管を狭めます。
まれに後縦靭帯、黄色靭帯が骨化し肥厚して脊柱管を狭めることもある。
⑤椎骨のズレ
椎骨は縦に整列していますが、
老化に伴なって椎骨が前後にズレることがあります。
椎骨がズレると、上下の椎骨同士の中を通る脊柱管もズレて、
狭くなり、神経が圧迫されて痛みやしびれが出ることがあります。
椎骨のズレによる痛みを、「腰椎すべり症」といいます。
⑥腰椎の側弯
健康的な脊椎は前後から見ると、
ほぼ真っ直ぐですが、加齢とともに脊椎が左右に曲がってくることがあります。
これを「変性側弯」といいます。
脊椎が左右に弯曲(側弯)すると、
脊椎同士の間隙の椎間孔が狭くなる場所ができ、
その部分の神経が圧迫されて、
痛みやしびれなどの症状が出ることがあります。